ユーロ円はドル円より動く?合成レートで10年間を比較
2016〜2025年の公開データを、編集部で集計。
クロス円は大きく動く、という印象は実際の数字でも同じでしょうか。公式のドル円とユーロドルからユーロ円を計算し、変化率で比べました。
10年全体の平均では、ユーロ円の方が大きいとは言えなかった
合成したユーロ円の平均絶対変化率は0.411%。ドル円は0.416%でした。今回の全期間平均では、ユーロ円の方がわずかに小さい結果です。
横棒は0からの共通縮尺です。
一方、中央値はドル円が0.298%, ユーロ円が0.315%で、順番が逆になりました。どの数字で「よく動く」と決めるかによって見え方が変わります。
ユーロ円は、二つのレートの掛け算で作る
1ユーロ=1.10米ドル、1米ドル=150円なら、計算上の1ユーロは165円です。同じ観測時刻のEUR/USDとUSD/JPYを掛け合わせ、ユーロ円の合成レートを作りました。
ドル円が上がっても、ユーロドルが下がれば、ユーロ円では一部が打ち消されます。両方が上がれば変化は強まることがあります。「二つの値動きが入るから、必ずドル円より大きく動く」とはなりません。
年別ではどちらが大きかったか
| 年 | ドル円の平均 | 合成ユーロ円の平均 | ユーロ円が大きかった割合 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 0.581% | 0.534% | 47.8% |
| 2017 | 0.411% | 0.392% | 47.8% |
| 2018 | 0.311% | 0.379% | 56.2% |
| 2019 | 0.255% | 0.296% | 56.6% |
| 2020 | 0.340% | 0.385% | 57.2% |
| 2021 | 0.262% | 0.262% | 50.6% |
| 2022 | 0.562% | 0.575% | 49.2% |
| 2023 | 0.480% | 0.464% | 47.4% |
| 2024 | 0.472% | 0.422% | 46.2% |
| 2025 | 0.481% | 0.397% | 39.2% |
全2,497組のうち、合成ユーロ円の絶対変化率がドル円を上回ったのは1,244組、49.8%でした。二つの通貨ペアの優劣を一言で固定できるほど、一方向に偏った結果ではありません。
円幅だけで比べると、レート水準の違いも混ざります。今回は割合を比較しましたが、実際の損益を知りたい場合は、さらに取引通貨数と円幅に置き換える必要があります。
動きの大小だけで、使いやすさは決まらない
変化率が大きい通貨を選べば有利になる、という話ではありません。売買のタイミング、取引コスト、数量を同時に考えなければ、口座に残る損益は分かりません。
同じロット表記でも、ドル円では米ドル、ユーロ円ではユーロを基準に数量を数えるのが一般的です。等しい名目金額で比べるのか、等しい通貨数で比べるのかも違います。この表から「同じロットならリスクも同じ」と判断しないようにしてください。
今回の収穫は、「クロス円だから必ず荒い」と決めつける前に、同じ期間・同じ単位で確認できたことです。思い込みを整理するための比較として読むと、数字を生かしやすくなります。
数字を自分の取引条件に置き換える
出典と集計方法
対象期間:2016年1月〜2025年12月。確認日:2026年10月3日。
価格はニューヨーク正午の公表レートです。日本時間の日足終値や、日中の高値・安値ではありません。欠測値は補間せず、公表された有効な観測値を使用しています。2026年分は含めていません。
共通の有効観測日で合成EUR/JPY=EUR/USD×USD/JPYを計算。同じ前回観測日からの単純変化率の絶対値を、ドル円と2,497組で比較しました。平均・中央値・年別集計を算出し、大きかった割合は厳密に上回った組の数を全組数で割っています。
合成値には売買スプレッドを反映していません。統計上のわずかな平均差が将来も続くとは限らず、有意差検定はしていません。年率のリスクや実取引の最大損失を比較したものではありません。
特定業者の約定履歴や実際の運用実績ではありません。スプレッド・手数料・スワップは集計に含みません。公開データは後日修正される場合があります。
執筆・集計:海外FX.com編集部|2026年10月3日公開
過去データの記述的な分析です。将来の値動きや利益を保証するものではなく、売買を推奨するものではありません。

