同じ「10万円のボーナス」でも、含み損が増えたときの扱いまで同じとは限りません。入金直後の取引画面では大きな金額が表示されていても、一定の条件でクレジットが取り消されるなら、その額を最後まで損失の支えにできないためです。
クッション機能という言葉で確認したいのは、自己資金が減ったあとも、ボーナスを含み損に対する証拠金として使い続けられるかという点です。広告の「証拠金に使えます」だけでは足りません。取り消される条件まで一緒に読んでおきましょう。
「あり・なし」は、損失が出たときに違いが出る
クッション機能は、すべての業者が同じ定義で使う名称ではありません。この記事では、損失が膨らんでも規約の範囲でクレジットを支えにできるものを「クッションあり」、現金部分の減少などでクレジットが取り消され、同じようには支えにできないものを「クッションなし」として説明します。
| 見る点 | クッションがある仕組み | 損失時に取り消される仕組み |
|---|---|---|
| 入金直後 | クレジットが証拠金に使われる | 当初は証拠金に含まれる場合もある |
| 含み損が増えたとき | 条件の範囲でクレジットが支えになる | 指定条件で取消されることがある |
| 確認したい規約 | 損失に使える範囲、ロスカット条件 | 取消の基準となる残高や有効証拠金 |
| 本体の出金 | クレジット型ならできない | 同じく現金とは区別する |
「なしなら最初から有効証拠金に入らない」とは限らないのが、ややこしいところです。最初は含まれていても、ある水準で取り消される設計なら、表示額だけでは判断できません。入金直後のスクリーンショット一枚で、クッションの有無を確定しないでください。
数字を使うと、確認すべき条件が見えてくる
まず、クレジットが最後まで維持される仮定で計算します。現金10万円にクレジット10万円、必要証拠金3万円、ロスカット水準20%とします。費用や必要証拠金の変動は省いた例です。
| 項目 | クレジットなし | クレジット10万円を含める |
|---|---|---|
| 最初の有効証拠金 | 100,000円 | 200,000円 |
| 最初の維持率 | 約333% | 約667% |
| 維持率20%となる有効証拠金 | 6,000円 | 6,000円 |
| そこまでの計算上の損失額 | 94,000円 | 194,000円 |
必要証拠金3万円×20%で6,000円。そこまで有効証拠金が下がると、仮定したロスカット水準に達します。これが、クレジットも証拠金に含めて考える場合の計算です。
では「現金部分に相当する余力がゼロになったら、クレジット全額を取り消す」という別の仮定ならどうでしょう。含み損10万円の時点でクレジットが消えれば、194,000円の損失まで耐えられるという前の計算は使えません。
この取消条件は仕組みを理解するための仮定で、特定業者の現行条件ではありません。伝えたいのは、クレジットを含む計算式と、そのクレジットがいつまで残るかは別に確認する必要があるということです。
維持率の数字だけで安心しない
MT5の公式ヘルプでは、有効証拠金と必要証拠金から証拠金維持率を求める仕組みが説明されています。ただし、実際の計算や資金の扱いには業者側の取引条件が関わります。手計算と画面が合わないなら、ボーナスの扱い以外にも、未計上手数料や他の建玉などを確認します。
よくある混乱は、口座残高だけを見て維持率を計算してしまうことです。含み損益やクレジットを無視すると数字がずれます。まず残高、クレジット、有効証拠金、必要証拠金を同じ時点で控え、それぞれを分けて見てください。
数字が合わないまま「たぶん余裕がある」と数量を増やすのは避けます。画面の意味を確認するために、損失が出るまで試す必要もありません。規約とサポートの説明で先に確かめましょう。
ボーナスに合わせてロットを増やすとどうなるか
先ほどの20万円の有効証拠金で、ドル円を10万通貨持つ場合と20万通貨持つ場合を比べます。必要証拠金はそれぞれ3万円・6万円、ロスカット水準は20%という仮定を続けます。
| 比べる項目 | 10万通貨 | 20万通貨 |
|---|---|---|
| 必要証拠金 | 30,000円 | 60,000円 |
| 計算上の損失余地 | 194,000円 | 188,000円 |
| 逆行する値幅の目安 | 約1.94円 | 約0.94円 |
| 1円動いたときの損益 | 100,000円 | 200,000円 |
数量を増やすと、少しの値動きが大きな損益になります。クレジットをもらった分だけ大きく注文すると、増えた余裕を数量で使い込む形です。なお、表は一定条件の計算にすぎず、その価格できっちり決済できることを保証するものではありません。
「まだ維持率が高いから損切りしなくていい」と考え始めたときも注意したいところです。損切りは、自分の見立てが外れたときに損失を止めるために置くもの。ロスカットが遠くなったことを、持ち続ける理由にしないほうが判断はぶれにくくなります。
受取前に聞いておくとよい質問
「クッションはありますか」だけで答えがはっきりしなければ、数字を入れて聞いてみます。たとえば現金10万円とクレジット10万円を想定して、次の点を確認します。
- 含み損が10万円になったとき、クレジットは残りますか。
- クレジットの取消は、残高・有効証拠金・維持率のどれを基準にしますか。
- 出金や他口座への移動で、取消条件はどう変わりますか。
- 対象口座とキャンペーンが変わっても、同じ扱いですか。
回答は日時と一緒に保存しておくと、後日条件を確認し直せます。業者名が同じでも、別のキャンペーンや別法人との契約にそのまま当てはめないでください。受取画面に表示された特典名まで残しておくと区別しやすくなります。
クッションがあれば、安全というわけではない
クッションがあっても、相場の方向を当ててくれるわけではありません。自己資金を失う可能性も残りますし、ボーナスの上限や取消条件、取引費用もあります。金額の大きさだけで優劣を決めないことが大切です。
出金の予定がある人は、ボーナスが減った状態でも建玉を維持できるかを確認します。近いうちに必要になる生活費まで入れて、特典を残すために出金を先延ばしにするような使い方にはしないでください。
クッションの条件は、自分で変更できますか?
特典に定められたルールなので、利用者が自由に切り替えられるとは限りません。別口座や別特典への変更が可能でも、資金移動や取消が伴う場合があります。変更先の条件と、変更時に失うクレジットを確認します。
表示が20万円なら、クッションありと考えていいですか?
それだけでは確認できません。今の計算に含まれることと、含み損が増えたあとも使えることは別です。少し面倒でも、取消条件まで読んでから数量を決める。その順番を守るほうが、あとで画面の数字に慌てずに済みます。
出典・確認した範囲
確認日:2026年9月18日。表と取消条件の例は編集部の仮定です。特定業者のクッションの有無を認定する一覧ではありません。
- MetaTrader 5公式ヘルプ:取引の実行と口座状態(残高・クレジット・有効証拠金・証拠金維持率の定義)
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