2年・10年・逆イールドを同じ画面で整理する
米金利が上昇、とだけ聞くと一つの数字に見えます。実際には2年、10年など満期ごとに利回りがあります。水準・変化・年限間の差を分けると、金利ニュースが読みやすくなります。
本文中の数値例は読み方を学ぶための仮定です。最新の公表値・予測・実際の運用成績を示したものではありません。
利回りと、債券に書かれた利率は別
固定利付債では、発行時に決まる利率と、市場価格から計算される利回りは同じ意味ではありません。同じ将来の支払いを持つ債券なら、購入価格が下がるほど利回りは上がる関係になります。
米財務省の公表する年限別のパー利回りは、個別の手持ち債券のクーポンそのものではありません。また、日次の公表系列と取引画面のリアルタイム表示は時刻や算出が違います。違う画面の数字を比べるときは、日付と時刻を先にそろえます。
2年と10年を引き算してみる
10年利回りから2年利回りを引いた差を考えます。仮に2年4.5%、10年4.0%なら差は−0.5パーセントポイント、つまり−50ベーシスポイントです。この組み合わせでは短い年限の方が高い状態で、逆イールドと呼ばれます。
同じ「逆イールド」でも、10年と3か月を比べる話もあります。どの年限の差を読んでいるかで値は異なります。見出しだけで比較せず、引き算の順序と年限を記録してください。
| 時点 | 2年 | 10年 | 10年−2年 |
|---|---|---|---|
| 前 | 4.5% | 4.0% | −0.5ポイント |
| 後 | 4.0% | 3.8% | −0.2ポイント |
差が広がっても、両方が上がったとは限らない
下の仮の例では2年が4.5%から4.0%、10年が4.0%から3.8%へ下がります。両方低下しているのに、10年−2年の差は−0.5から−0.2ポイントへ拡大します。短い方がより大きく下がったからです。
差の変化だけを見て「長期金利が上がった」と読むと、正反対の説明になってしまいます。二つの水準とその変化を置き、その後に差を読む順番がおすすめです。
金利差から為替までを、一足飛びに決めない
逆イールドがあるから特定の日に景気後退が始まる、あるいは翌日ドル円が下がる、といった日付や方向はこの引き算だけでは分かりません。利回りには将来の政策や物価への見方、債券需給など複数の要因が関わります。
ドル円について考えるなら米国側だけでなく日本側の金利や市場環境も関係します。まずは今回の変化が短期側中心なのか長期側中心なのかを説明するところまで。原因や売買の結論は、別の資料を確認してから考えます。
ひとつ、読み方を試してみる
10年−2年の差が−50bpから−20bpになった。10年利回りが上がったと断定できる?
答えと考え方を見る
できません。2年利回りがより大きく下がっても、この変化は起こります。差だけでなく二つの元の利回りを確認します。
次の発表で残しておくメモ
データ元/観測時刻/年限/各利回り/前回からの変化/差の定義。1bp=0.01パーセントポイントです。
結論を急がず、比較の相手と単位を書いておくと、後から読み返したときの勘違いが減ります。公式資料の対象期間と公表日も一緒に保存しておきましょう。
出典・確認日
定義は公表機関の資料を参照し、数値例・比較表・練習問題は海外FX.com編集部が読み方の説明用に作成しました。図解は概念を示したもので、実測グラフではありません。
米財務省:金利統計と年限別利回り/TreasuryDirect:債券価格・利率・利回り
公式資料確認:2026年10月3日/執筆:海外FX.com編集部
経済指標と為替の関係は一対一ではありません。本記事は指標の読み方を説明するもので、売買方向や利益を保証しません。

