ポンドドルはユーロドルより荒い?10年分の変化率と方向を比較
2016〜2025年の公開データを、編集部で集計。
ポンドはよく動く、という印象を同じ期間の数字で確認します。変化の大きさに加え、二つの通貨が同じ方向に動いた割合も調べました。
平均の変化率は、ポンドドルが約1.23倍
同じ観測区間の平均絶対変化率は、ユーロドルが0.344%, ポンドドルが0.422%でした。比率にすると約1.23倍です。
横棒は0からの共通縮尺です。
中央値でもユーロドルの0.260%に対し、ポンドドルは0.320%でした。ただし「平均では大きかった」と「どの区間でも大きかった」は同じではありません。
ポンドドルが大きかったのは、全体の約56%
ポンドドルの絶対変化率がユーロドルより大きかったのは1,405組。全2,497組に対して56.3%です。平均の約1.23倍という数字から想像するほど、毎回一方的な差があるわけではありません。
| 年 | ユーロドルの平均 | ポンドドルの平均 | ポンドが大きかった割合 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 0.404% | 0.582% | 60.6% |
| 2017 | 0.361% | 0.390% | 51.4% |
| 2018 | 0.330% | 0.383% | 55.8% |
| 2019 | 0.230% | 0.396% | 65.9% |
| 2020 | 0.352% | 0.531% | 64.4% |
| 2021 | 0.253% | 0.318% | 58.2% |
| 2022 | 0.485% | 0.555% | 54.0% |
| 2023 | 0.387% | 0.416% | 54.2% |
| 2024 | 0.271% | 0.297% | 53.4% |
| 2025 | 0.365% | 0.347% | 44.8% |
同じ日に両方が大きく動くことも、片方だけが動くこともあります。個別の日のニュースを突き合わせる分析はしていないため、年別の違いを特定の出来事だけに結び付けて説明することは避けています。
二つのチャートが似て見える理由も、数字で確認する
二つの変化率の相関係数は0.641でした。同じ方向に変化したのは1,804組、72.2%。逆方向は653組、少なくとも一方の変化がゼロの組は40組です。
どちらも対米ドルのレートなので共通の影響を受けることがありますが、相関がプラスだから同じ商品として扱えるわけではありません。ユーロやポンドそれぞれに関わる材料もあります。
両方を同じ方向で持つとき、「通貨ペアが二つだから分散した」と数だけで判断しない方がよいでしょう。この分析は、二つのポジションの損失がどれだけ相殺されるかまで計算したものではありません。
同じpipsより、まず同じ率で比べる
1.10ドルと1.30ドルでは、同じ0.01ドルの変化でも割合が異なります。今回のように値動きの大きさそのものを比べるときは、率に直すことで価格水準の違いを一部取り除けます。
実際の円建て損益には、通貨数、価格差、円への換算、費用が関わります。平均変化率が1.23倍という理由だけで数量を機械的に合わせても、損失の上限が同じになるわけではありません。過去の平均を、これからの最大値として使わないことが大切です。
数字を自分の取引条件に置き換える
出典と集計方法
対象期間:2016年1月〜2025年12月。確認日:2026年10月3日。
価格はニューヨーク正午の公表レートです。日本時間の日足終値や、日中の高値・安値ではありません。欠測値は補間せず、公表された有効な観測値を使用しています。2026年分は含めていません。
FRBのEUR/USD・GBP/USDについて、共通の有効観測日と共通の前回観測日で変化率を計算。2016〜2025年の2,497組を比較しました。どちらも米ドル/1通貨のレートです。絶対変化率の平均・中央値・上回った割合、方向、ピアソン相関を集計しています。
観測日間の変化であり、日中の最大振幅やスプレッドの広さではありません。大きかった割合の分母には同値を含みます。相関・平均比率から将来の利益や適切な取引数量を決めることはできません。
特定業者の約定履歴や実際の運用実績ではありません。スプレッド・手数料・スワップは集計に含みません。公開データは後日修正される場合があります。
執筆・集計:海外FX.com編集部|2026年10月3日公開
過去データの記述的な分析です。将来の値動きや利益を保証するものではなく、売買を推奨するものではありません。

