結論からいうと、海外FXの確定申告は「年間の確定損益を集計する→雑所得として申告書に入力する→2月16日〜3月15日に提出する」という流れで完了します。特別な様式はなく、国内FXのような年間取引報告書の添付も不要です。準備でつまずくのは損益の集計と経費の整理なので、取引履歴のダウンロードから始めてください。
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 申告期間 | 翌年2月16日〜3月15日(土日祝の場合は翌平日) |
| 対象期間 | 1月1日〜12月31日に決済して確定した損益 |
| 所得の区分 | 雑所得(その他)。種目は「証拠金取引」などと記載 |
| 使う申告書 | 確定申告書 第一表・第二表(分離課税の第三表は不要) |
| 提出方法 | e-Tax(スマホ・PC)/郵送/税務署窓口 |
| 必要書類 | 取引履歴、源泉徴収票、経費の領収書、マイナンバー、還付先口座 |
| 添付が必要な書類 | 取引履歴の添付は不要(保存はしておく) |
| 最終確認日 | 2026年9月7日 |
申告までの全体像
海外FXの申告は、国内FXより手順が1つ多くなります。国内業者は年間取引報告書を発行してくれますが、海外業者は日本の様式に対応した書類を出さないことが多く、自分で損益を集計する必要があるためです。逆に言えば、集計さえ終われば入力作業自体は短時間で済みます。
- 各業者から年間の取引履歴をダウンロードする(12月末〜1月)
- 決済済みの損益を合計し、経費を差し引いて雑所得の金額を出す
- 源泉徴収票など他の所得の資料を揃える
- 確定申告書等作成コーナーまたはe-Taxで入力する
- 提出し、納税または還付を受ける

用意する書類とその入手先
| 書類 | 入手先 | 用途 |
|---|---|---|
| 年間の取引履歴 | 各業者のマイページ/取引ツール | 損益の集計。添付は不要だが保存する |
| 源泉徴収票 | 勤務先 | 給与所得と源泉徴収税額の入力 |
| 経費の領収書・明細 | 自分で保管 | 必要経費の計上。保存義務がある |
| マイナンバーカード | 本人 | 本人確認とe-Taxのログイン |
| 還付金の受取口座 | 本人名義の口座 | 還付がある場合の振込先 |
| 控除証明書 | 保険会社・年金機構など | 生命保険料控除・社会保険料控除など |
取引履歴は年をまたぐ前に取得しておくのが安全です。口座を解約した後や、業者が日本居住者向けサービスを終了した後では取り出せなくなることがあります。
損益を集計する
集計の対象は、その年に決済して確定した損益です。年末時点で持ち越している未決済ポジションの含み損益は、原則として含めません。出金しているかどうかも関係ありません。
- スワップポイント:決済時に確定した分を損益に含めます。
- 複数業者:いずれも雑所得なので合算します。片方が損失なら相殺できます。
- 外貨建ての口座:円換算して集計します。業者が円建ての履歴を出せる場合はそれを使うと手間が減ります。
- 国内FXの損益:合算しません。申告分離課税という別の枠で計算します。
集計が終わったら、そこから必要経費を差し引いた金額が雑所得になります。経費として認められる範囲は業務との関連性で判断されるため、根拠を説明できるものに限って計上してください。
申告書のどこに書くか
海外FXの利益は、確定申告書の「雑所得(その他)」の欄に記入します。国内FXは分離課税なので第三表を使いますが、海外FXは総合課税のため第一表・第二表だけで完結します。
| 記入箇所 | 内容 |
|---|---|
| 第一表 収入金額等「雑・その他」 | 集計した年間の利益(経費を引く前の金額) |
| 第一表 所得金額等「雑・その他」 | 利益から必要経費を引いた金額 |
| 第二表 所得の内訳 | 種目「証拠金取引」など、業者名(支払者)、収入金額 |
| 第二表 住民税に関する事項 | 徴収方法の選択(給与から天引きか、自分で納付か) |
国税庁の確定申告書等作成コーナーを使う場合は、収入金額の入力画面で「雑所得 その他」を選び、種目と支払者を入力する形になります。画面の案内どおりに進めれば、税額は自動で計算されます。
提出方法は3つ
| 方法 | 必要なもの | 向いている人 |
|---|---|---|
| e-Tax(スマホ) | マイナンバーカード、対応スマホ | 給与+FXだけのシンプルな申告 |
| e-Tax(PC) | マイナンバーカードとICカードリーダー、またはID・パスワード方式 | 入力項目が多い人 |
| 印刷して郵送・持参 | プリンタ、本人確認書類の写し | 電子申告の準備が間に合わない場合 |
いずれの方法でも、作成自体は確定申告書等作成コーナーで行えます。e-Taxなら添付書類の提出を省略できるものがあり、還付も比較的早く処理されます。

つまずきやすいポイント
- 取引履歴を後から取れないと思い込む。まず業者のサポートに期間指定での出力を依頼してみてください。出せる業者は少なくありません。
- ボーナスを収入に含めてしまう。取引にしか使えないクレジット型のボーナスは、その時点では収入になりません。ボーナスを使って得た利益が確定した時に課税対象となります。
- 国内FXと合算してしまう。枠が違うため、通算できません。それぞれ別に計算します。
- 期限に間に合わない。期限後申告になると無申告加算税・延滞税の対象になります。集計が終わらなくても、まず概算で提出し後から修正するほうが傷が浅くなります。
よくある質問
取引履歴は申告書に添付しますか
添付は不要です。ただし内容の確認を求められることがあるため、履歴と経費の証憑は手元に保存しておいてください。
損失しか出ていない年も申告は必要ですか
海外FXの損失は給与所得と相殺できず、翌年へ繰り越すこともできないため、申告しても税額は変わりません。ただし他に雑所得がある場合は相殺できるので、その場合は申告する意味があります。
支払者の欄には何を書きますか
取引した業者の名称を記入します。所在地の記載を求められた場合は、公式サイトに記載された運営法人の所在地を使います。
確定申告と住民税の申告は別ですか
確定申告をすれば、その内容が市区町村へ通知されるため住民税の申告は別途不要です。確定申告をしない場合(所得税の申告義務がない場合)は、住民税の申告が別に必要になることがあります。
過去の年の申告を忘れていた場合はどうしますか
気づいた時点で期限後申告をします。自主的に申告した場合と、税務署の指摘を受けてからでは加算税の扱いが変わるため、早く動くほど負担は軽くなります。
税理士に依頼したほうがよいのはどんな場合ですか
利益が大きい、法人化を検討している、複数年分をまとめて申告する、経費の範囲に判断が必要といった場合です。給与+海外FXだけの単純な構成なら、作成コーナーで完結することが多くなります。
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この記事で特に重要な3点
- 海外FXは雑所得(その他)として第一表・第二表に記入する。分離課税の第三表は使わない。
- 年間取引報告書は発行されないことが多く、損益の集計は自分で行う。取引履歴は年内にダウンロードしておく。
- 期限は翌年2月16日〜3月15日。間に合わない場合でも、期限後申告は早いほど加算税の負担が軽い。

