結論からいうと、会社に伝わる経路はほぼ住民税の通知だけです。確定申告書 第二表の「住民税に関する事項」で徴収方法を「自分で納付」に丸を付ければ、海外FX分の住民税は給与天引きから切り離せます。ただし自治体の運用によっては認められない場合があり、申告の仕方を間違えると給与分に合算されて通知が届きます。手続きの順序を先に押さえてください。
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 会社に伝わる主な経路 | 住民税の特別徴収(給与天引き)額の通知 |
| 回避する手続き | 確定申告書 第二表で「自分で納付(普通徴収)」を選ぶ |
| 選択する欄 | 「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」 |
| 確実性 | 100%ではない。自治体の運用や記入漏れで合算されることがある |
| 20万円以下の場合 | 住民税の申告書でも同じ選択ができる |
| 税務署から会社への連絡 | ない。確定申告の内容が勤務先に通知される仕組みはない |
| 副業禁止規定との関係 | 法律上の禁止ではなく就業規則の問題。投資を副業としない企業も多い |
| 最終確認日 | 2026年9月7日 |
なぜ住民税で気づかれるのか
会社員の住民税は、勤務先が毎月の給与から天引きして納める特別徴収が原則です。市区町村は毎年5〜6月ごろ、社員一人ひとりの住民税額を勤務先に通知します。
このとき、給与以外の所得があるとその分だけ住民税額が上がります。給与額から想定される金額と実際の天引き額が食い違うため、経理担当者が見れば「給与以外の収入がある」ことは分かります。何で稼いだかまでは通知に書かれませんが、差額そのものは隠れません。
逆に言えば、住民税をこの通知に乗せなければ勤務先が知る手掛かりはなくなります。所得税の確定申告書が勤務先に送られることはありませんし、税務署から会社へ連絡が行くこともありません。

「自分で納付」を選ぶ手順
- 確定申告書 第二表の下部にある「住民税に関する事項」を開く。
- 「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄で「自分で納付」を選ぶ。
- 確定申告書等作成コーナーを使う場合は、住民税等入力画面で同じ選択肢が表示されるのでチェックする。
- 提出後、6月ごろに自宅へ納付書が届く。年4回(6月・8月・10月・翌年1月)に分けて自分で納める。
この選択をすると、住民税は給与分は天引き、FX分は自分で納付という二本立てになります。勤務先へ通知されるのは給与分だけです。
それでも合算されてしまうケース
| 原因 | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 選択欄の記入漏れ | 未記入だと原則どおり特別徴収に含まれる | 提出前に第二表を必ず確認する |
| 自治体の運用 | 普通徴収への切り替えを限定的にしか認めない自治体がある | 申告前に住所地の市区町村へ電話で確認する |
| 電子申告での選択漏れ | 画面を飛ばすと既定値のまま送信される | 送信前に入力内容確認画面で徴収方法を見る |
| 期限後申告 | 住民税の課税計算に間に合わず合算されることがある | 3月15日までに提出する |
| 給与所得扱いの副収入 | 他社からの給与は普通徴収を選べない | FXの雑所得とは分けて考える |
最も多いのは1行目の記入漏れです。所得税の計算に影響しない欄なので、意識していないと素通りしてしまいます。提出直前に第二表だけもう一度見ることを習慣にしてください。
利益20万円以下の場合の扱い
給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。この場合は市区町村へ住民税の申告書を提出することになり、その様式にも徴収方法の選択欄があります。ここで「自分で納付」を選べば、確定申告をする場合と同じ結果になります。
「20万円以下だから何もしない」という対応は、住民税の無申告になります。金額が小さいほど納付額も小さいので、手続きを済ませておくほうが結果的に安全です。
そもそも会社に知られると問題なのか
海外FXの利用そのものは違法ではなく、法律で会社への報告が義務づけられているわけでもありません。問題になりうるのは、勤務先の就業規則です。
- 副業禁止規定があっても、投資は対象外としている企業が多い。株式やFXは労務の提供を伴わないためです。ただし規定の書き方は企業ごとに異なります。
- 勤務時間中の取引は別問題。職務専念義務に触れる可能性があります。
- 金融機関など業種によっては、投資自体に届出や制限がある。インサイダー規制や自社ルールを確認してください。
就業規則の該当箇所を先に読んでおくと、住民税の手続きに神経を使う必要があるかどうかが判断できます。

今年やっておくこと
- 就業規則で副業・投資に関する条項を確認する。
- 住所地の市区町村に、普通徴収への切り替えが可能かを確認する。
- 確定申告時に第二表で「自分で納付」を選ぶ。
- 6月ごろに届く納付書を保管し、期限までに納める(口座振替やスマホ決済に対応する自治体もある)。
- 納付書が届かない場合は、合算されていないか市区町村に問い合わせる。
よくある質問
「自分で納付」を選ぶと税務署から怪しまれますか
制度として用意された選択肢なので、選ぶこと自体が問題視されることはありません。適正に申告していれば通常の処理として扱われます。
損失だった年は何もしなくてよいですか
所得がなければ住民税額も増えないため、通知額から気づかれることはありません。ただし他に申告すべき所得がある場合は通常どおり手続きしてください。
ふるさと納税と併用できますか
できます。ただし確定申告をする場合はワンストップ特例が無効になるため、寄附金控除も申告書に記載する必要があります。控除の一部は住民税から差し引かれるので、給与分の天引き額に反映されます。
扶養に入っている配偶者の場合はどうなりますか
徴収方法の選択とは別に、合計所得金額が一定額を超えると扶養から外れます。その場合は配偶者の年末調整や税額に影響が出るため、住民税の手続きだけでは完結しません。
会社の経理から住民税額について聞かれたら
普通徴収を選んでいれば給与分しか通知されないため、通常は差額が生じません。仮に合算されて質問を受けた場合、答える法的義務はありませんが、就業規則との関係で説明が必要になることはあります。
住民税はいつの利益に対してかかりますか
前年1月〜12月の所得に対して、翌年6月から課税されます。利益が出た年の翌年に納付が始まるため、納税資金は年をまたいで確保しておく必要があります。
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この記事で特に重要な3点
- 勤務先が気づく経路は住民税の通知だけ。税務署から会社に連絡が行くことはない。
- 確定申告書 第二表で「自分で納付」を選べば、FX分の住民税は給与天引きから切り離せる。記入漏れが最大の失敗要因。
- 自治体の運用によっては普通徴収が認められないことがあるため、申告前に市区町村へ確認しておく。

