結論からいうと、EA(Expert Advisor)はMT4/MT5上で動く自動売買プログラムです。あらかじめ決めたルールに従って、発注から決済までを自動で行います。人が張り付く必要はありませんが、PCを起動し続けるかVPSが必要で、放置すれば勝てるわけでもありません。最も注意すべきは、過去の検証結果と実際の成績が一致しないことです。
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| EAとは | MQL4/MQL5で書かれた自動売買プログラム |
| 動く条件 | MT4/MT5が起動し、サーバーに接続していること |
| 必要な環境 | PCの常時起動、またはVPS |
| スマホでの稼働 | できない |
| 互換性 | MQL4のEAはMT5で動かない(逆も同じ) |
| 入手方法 | 販売サイト、無料配布、自作 |
| 最大の注意点 | 過去の検証結果は将来の成績を保証しない |
| 最終確認日 | 2026年9月7日 |
どうやって動くのか
EAは価格が更新されるたび(ティックごと)に実行されるプログラムです。そのたびに条件を判定し、条件が満たされれば注文を出します。
- エントリー条件の判定。移動平均のクロス、価格の水準など、プログラムに書かれた条件を確認します。
- 発注。条件が満たされれば、指定された数量で注文を出します。
- 建玉の管理。損切り・利確の水準を監視し、必要なら変更します。
- 決済。条件が満たされれば決済します。
重要なのは、MT4/MT5が起動して接続していなければ何も動かないという点です。PCをスリープさせたり、ネットワークが切れたりすれば、EAは判定を止めます。建玉を持ったまま停止すると、決済されないまま放置されることになります。
これがVPS(仮想サーバー)が使われる理由です。24時間稼働し続ける環境を、自宅のPCとは別に用意します。

EAのタイプと特徴
| タイプ | 考え方 | リスクの出方 |
|---|---|---|
| トレンド追随型 | 方向が出たら乗る | 横ばい相場で小さな損失が続く |
| 逆張り型 | 行き過ぎたら戻りを狙う | トレンドが続くと損失が伸びる |
| ナンピン型 | 逆行したら買い増して平均取得価格を下げる | 一度の急変で口座を失うことがある |
| マーチンゲール型 | 負けるたびに数量を倍にする | 同上。損失が指数的に膨らむ |
| スキャルピング型 | 小さな値幅を高頻度で取る | スプレッドと約定条件に成績が左右される |
販売サイトで「勝率95%」「連勝記録更新中」といった実績が示されているEAの多くは、ナンピン型かマーチンゲール型です。勝率が高いのは、含み損を抱えたまま利益が出るまで決済しない設計だからで、勝率の高さがリスクの低さを意味しません。
見るべきは勝率ではなく、最大ドローダウン(過去に最も資金が減った幅)です。これが公開されていないEAは、評価のしようがありません。
検証結果の読み方
EAには過去データでの検証(バックテスト)結果が付いてくることがあります。しかし、実際の成績と一致しない要因がいくつもあります。
| ずれる要因 | 内容 |
|---|---|
| スプレッドの設定 | 検証時に固定・狭い値を使っていると、実運用より有利に出る |
| スリッページ | 検証では再現されないことが多い |
| 過剰な最適化 | 過去データに合わせ込んだだけで、将来には通用しない |
| ストップレベル | 実口座では置けない位置に損切りを設定している場合がある |
| ポジション数の上限 | 業者の制限で、想定どおりに建てられないことがある |
| 約定の遅延 | 通信環境やサーバー負荷は検証に含まれない |
したがって、検証結果は「その条件下ではこうだった」という記録にすぎません。導入するなら、自分の口座・自分の環境で少額から動かし、実際の成績を確認する工程が不可欠です。

規約との関係
- EAの利用自体は認めている業者が多い。ただし口座タイプによる制限がある場合があります。
- 高頻度の発注は制限されることがある。サーバー負荷が理由です。
- 複数口座で反対方向に建てる設計は禁止行為。口座をまたぐ両建てに該当します。
- レイテンシーを利用するEAは禁止。配信遅延を突く手法は規約違反です。
導入前に、そのEAがどういう注文の出し方をするかを把握してください。仕組みが説明されていないEAは、規約違反のリスクも判断できません。
よくある質問
放置していれば利益が出ますか
出るとは限りません。相場環境が変われば通用しなくなります。稼働状況と成績を定期的に確認する必要があります。
無料のEAは信用できませんか
無料か有料かで質は決まりません。判断材料は、ロジックが説明されているか、最大ドローダウンが示されているかです。出所の不明なファイルは避けてください。
EAは自分で作れますか
MQL4/MQL5を学べば作れます。MetaEditorがMT4/MT5に付属しており、開発から検証まで同じ環境で行えます。
EAの購入費用は経費になりますか
取引のために必要な支出として計上できると考えられます。10万円以上のものは減価償却の対象になる場合があります。
複数のEAを同時に動かせますか
チャートごとに1つのEAを稼働させられます。ただし同じ口座で複数動かすと、証拠金の取り合いや意図しない両建てが起きることがあります。
「元本保証」をうたうEAがあります
相場商品で元本を保証することはできません。収益を保証する説明は、それ自体が警戒すべき兆候です。
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この記事で特に重要な3点
- EAはMT4/MT5が起動して接続している間だけ動く。24時間稼働にはVPSが要る。
- 評価すべきは勝率ではなく最大ドローダウン。高勝率はナンピン・マーチン型の特徴でもある。
- 検証結果はその条件下の記録にすぎない。自分の口座で少額から実測する。

