結論からいうと、出金していなくても税金はかかります。課税の対象になるのは、ポジションを決済して損益が確定した時点の利益です。口座に置いたままでも、そのまま次の取引に回していても、その年に確定した利益は申告対象になります。「出金しなければ課税されない」という理解は誤りで、無申告が判明すれば加算税・延滞税の対象になります。
| 状態 | 課税されるか |
|---|---|
| 決済して利益が確定し、出金した | される |
| 決済して利益が確定したが、口座に置いている | される |
| 決済した利益をそのまま次の取引に使った | される |
| 年末時点で未決済(含み益のまま) | 原則としてされない |
| 口座内でドルのまま保有している | 確定分は円換算して計算する |
| ボーナス(クレジット型)を受け取った | その時点ではされない |
| 最終確認日 | 2026年9月7日 |
課税されるのは「決済したとき」
税金の計算は、その年の1月1日から12月31日までに決済して確定した損益を合計して行います。出金は資金を口座から自分の銀行へ移す行為にすぎず、所得が発生する場面ではありません。
逆に、年末時点で持ち越している未決済ポジションの含み益は、原則として計算に含めません。利益が確定していないためです。含み損についても同様で、その年の損益には反映されません。
この区切りを理解すると、年末の判断がしやすくなります。12月31日をまたぐかどうかで、その利益がどちらの年の所得になるかが決まります。
具体例で確認する
| ケース | その年の課税対象 |
|---|---|
| 3月に決済して+80万円。出金せず口座に置いたまま年を越した | 80万円 |
| 3月に決済して+80万円。同じ資金で取引を続け、年末残高は50万円 | 80万円(12月までの損益を合算して計算) |
| 12月に建てたポジションが+50万円の含み益。未決済のまま越年 | 0円(翌年に決済した年の所得になる) |
| 11月に+100万円を決済、12月に△60万円を決済 | 40万円 |
| 12月に+100万円を決済、翌年1月に△60万円を決済 | 100万円(翌年の損失は繰り越せない) |
2行目が実務で最も誤解されるケースです。途中で利益を確定していれば、年末の残高が減っていても課税対象は残ります。正確には、その年に確定したすべての損益を合算するので、後半に損失を確定していればその分は差し引かれます。ただし未決済の含み損は差し引けません。
5行目は年またぎの問題です。海外FXには損失の繰越制度がないため、年をまたいだ損失で前年の税負担は減りません。

口座に置いたままだと起きること
- 納税資金がなくなる可能性がある。利益を確定した後に取引で失っても、確定した年の税は残ります。翌年に納付するときに資金が足りない、という事態が起こります。
- 業者リスクにさらされ続ける。無登録の海外業者には信託保全がなく、置いておく期間が長いほど回収不能のリスクを抱えます。
- 休眠口座手数料の対象になることがある。一定期間取引がないと、残高から手数料が引かれる規定を置く業者があります。
「税金がかからないように出金しない」という発想は、税務上の効果がないうえに、これら3つのリスクを増やすだけです。利益を確定したら、税額分は出金して分けておくほうが合理的です。
申告しなかった場合どうなるか
海外業者だから把握されない、という前提は成り立ちません。国内の銀行口座への着金、海外送金の記録、業者からの情報提供など、複数の経路があります。
| ペナルティ | 内容 |
|---|---|
| 無申告加算税 | 本来の税額に上乗せされる。自主的に期限後申告した場合は軽減される |
| 延滞税 | 納付が遅れた期間に応じて加算される |
| 重加算税 | 意図的な隠蔽・仮装があったと認定された場合 |
気づいた時点で自主的に期限後申告をするほうが負担は軽くなります。指摘を受けてからでは扱いが変わります。

年末にやること
- 12月末までに確定した損益を集計する(全業者分)。
- 他の雑所得(暗号資産・副業)と合算し、その年の雑所得を把握する。
- 相殺できる含み損があるか確認し、年内に決済するかを判断する。
- 概算の税額を出し、その分を出金して別口座へ移す。
- 取引履歴をダウンロードして保存する。
3番目は判断が必要です。税額のためだけに相場判断を曲げるのは本末転倒ですが、もともと損切りすべき建玉なら年内に整理する意味があります。
よくある質問
ドルのまま口座に置いている利益はどう計算しますか
決済して確定した時点の損益を円換算して集計します。業者が円建ての履歴を出せる場合はそれを使うと手間が減ります。
出金してから何年か経った利益はどうなりますか
課税されるのは確定した年です。出金の時期は関係ありません。過去の年に申告漏れがあれば、その年について期限後申告をすることになります。
スワップポイントも同じ扱いですか
決済時に確定した分を損益に含めます。未決済のポジションに付いている未確定のスワップは、原則として計算に含めません。
口座間で資金を移動した場合は
同一業者内の口座間振替も、他社への移動も、資金の移動にすぎず課税されません。課税されるのは決済による損益です。
出金拒否されている利益にも課税されますか
原則として確定した利益は申告の対象です。ただし回収できないことが確定した場合の扱いは事実関係によって異なるため、金額が大きい場合は税理士に相談してください。
年末に全部決済したほうがよいですか
一律には言えません。含み益を決済すればその年の所得が増え、含み損を決済すればその年の所得が減ります。どちらが有利かは他の所得との合計で変わるため、概算してから判断してください。
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この記事で特に重要な3点
- 課税されるのは決済して確定した利益。出金の有無は関係ない。
- 年末時点の未決済の含み益は対象外。12月31日をまたぐかで所得の年が決まる。
- 置いたままにすると納税資金・業者リスク・休眠手数料の3つを抱える。税額分は出金して分けておく。

