結論からいうと、これから始めるならMT5、使いたいEAやインジケーターがMT4専用ならMT4です。MT5は時間足が21種類(MT4は9種類)、テクニカル指標が38種類(同30種類)と機能面で上回り、動作も新しい環境に最適化されています。一方でMQL4で書かれた資産はMT5では動かないため、既存資産の有無が唯一にして最大の判断材料になります。
| 項目 | MT4 | MT5 |
|---|---|---|
| 時間足 | 9種類 | 21種類 |
| テクニカル指標(標準搭載) | 30種類 | 38種類 |
| 描画オブジェクト | 31種類 | 44種類 |
| 待機注文(指値・逆指値など) | 4種類 | 6種類 |
| 取扱可能な銘柄数 | 1,024 | 無制限 |
| 対応市場 | FX | FX・先物・オプション・株式・債券 |
| 板情報(Depth of Market) | なし | あり |
| 経済カレンダー | なし | 内蔵 |
| ストラテジーテスター | シングルスレッド | マルチスレッド・複数通貨・実ティック対応 |
| 開発言語 | MQL4 | MQL5 |
| 最終確認日 | 2026年9月7日 | |
後継版だが「上位互換」ではない
MT5はMT4の後継として開発されたプラットフォームですが、単純な上位互換ではありません。MQL4とMQL5は別の言語で、ファイル形式にも互換性がないためです。MT4用のEA(.ex4)やカスタムインジケーターは、MT5にそのまま読み込めません。
この非互換性が、MT4が今も使われ続けている理由です。長年配布されてきたMQL4資産が膨大にあり、乗り換えには作り直しが必要になります。したがって選択の順序は次のようになります。
- 使いたいEA・インジケーターがあるか。あるならその対応バージョンに合わせる。
- ないなら、機能が多く動作も軽いMT5を選ぶ。
- 業者がどちらに対応しているか、口座タイプ別の条件を確認する。
口座はプラットフォームごとに分かれます。MT4口座にMT5からはログインできません。両方使いたい場合は、追加口座を開設することになります。
実際の使用感で効いてくる差
時間足の細かさ
MT4の9種類(1分・5分・15分・30分・1時間・4時間・日足・週足・月足)に対し、MT5は21種類あります。2分足・3分足・10分足・12時間足など、MT4では自作しなければ表示できなかった足が標準で使えます。短期売買で細かい足を見る人ほど差を感じます。
注文の種類
MT4の待機注文は指値・逆指値の4種類ですが、MT5では「バイストップリミット」「セルストップリミット」が加わり6種類になります。逆指値が約定した後に指値を置く、という条件付きの注文が1回で設定できます。
バックテストの速さと精度
MT5のストラテジーテスターはマルチスレッドで動作し、複数通貨ペアの同時検証や実ティックでの検証に対応します。MT4はシングルスレッドのため、検証量が増えるほど時間差が開きます。EAの開発や検証を行うならMT5の優位は明確です。

ポジション管理の方式に注意
MT5にはネッティングとヘッジングという2つの口座方式があります。
| 方式 | 同一銘柄で反対売買した場合 | 両建て |
|---|---|---|
| ヘッジング | 別々のポジションとして並存する | できる(MT4と同じ挙動) |
| ネッティング | 相殺され、1銘柄1ポジションに集約される | できない |
海外FX業者の口座は多くがヘッジング方式で、MT4と同じ感覚で使えます。ただし方式は口座開設時に決まり、後から変更できないのが一般的です。同一口座内で両建てをする可能性があるなら、ヘッジング方式かを確認してください。
どちらを選ぶかの判断表
| 状況 | 選ぶべき | 理由 |
|---|---|---|
| これから始める | MT5 | 機能が多く、動作も新しい環境向けに最適化されている |
| 使いたいEAがMT4専用 | MT4 | MQL4資産はMT5で動かない |
| EAを自作・検証したい | MT5 | ストラテジーテスターの性能差が大きい |
| 株価指数や商品CFDも扱う | MT5 | 対応市場が広く、銘柄数の上限もない |
| 古いPCで動かす | 状況次第 | 動作要件は業者提供版で確認する |
| 解説記事や情報量を重視 | MT4 | 日本語の解説が蓄積されている |

MT4からMT5へ移るときの手順
- 業者のマイページでMT5用の追加口座を開設する(既存のMT4口座は残しておく)。
- 使っているインジケーターにMT5版があるか、配布元で確認する。
- MT5をインストールし、新しい口座番号とサーバー名でログインする。
- 資金移動は少額から試し、MT5口座で最小ロットの取引を1回通す。
- 問題がなければ資金を移し、MT4口座は残高を空にしておく(休眠口座手数料の対象になることがあります)。
チャートの設定やテンプレートは自動では引き継がれません。テンプレート(.tpl)は形式が近いため流用できる場合がありますが、カスタムインジケーターを参照している設定は動きません。移行前に、現在のチャート構成をスクリーンショットで残しておくと再構築が楽になります。
よくある質問
MT4のEAをMT5で使う方法はありますか
そのままでは動きません。MQL5で書き直すか、MT5対応版が配布されていないかを開発元に確認する必要があります。変換ツールもありますが、動作の同一性は保証されません。
MT4口座とMT5口座は資金を移動できますか
同一業者内であれば、マイページの資金移動機能で口座間の振替ができるのが一般的です。ボーナスの扱いは移動によって変わることがあるため、規約を確認してください。
MT4はいつまで使えますか
提供の可否は業者ごとの判断になります。新規の取扱いをMT5のみに絞る業者も出てきているため、長期的にはMT5へ移行しておくほうが選択肢は広がります。
スマホアプリでも機能差はありますか
時間足や注文種類の差はアプリにも反映されます。ただしEAはスマホアプリでは稼働せず、PC版またはVPSが必要になる点は共通です。
スプレッドや約定はどちらが有利ですか
取引条件はプラットフォームではなく口座タイプと業者の設定で決まります。同じ業者でもMT4口座とMT5口座でスプレッドが異なる場合があるため、取引条件のページで比較してください。
両方インストールしても問題ありませんか
問題ありません。別のソフトとして共存できます。ただし口座はそれぞれ必要で、ログイン情報も別になります。
あわせて読みたい



この記事で特に重要な3点
- MT5は時間足21種類・指標38種類・待機注文6種類と機能で上回るが、MQL4資産との互換性はない。
- 判断の起点は使いたいEA・インジケーターの有無。なければMT5を選んで問題ない。
- MT5にはヘッジングとネッティングの2方式がある。同一口座内で両建てするならヘッジング方式かを確認する。

